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zoom RSS 会報記事 「漱石の博士辞退事件」とからめて「ファラデーの王立協会会長辞退」二人の名台詞 ぼいやれ尚子

<<   作成日時 : 2009/12/15 23:42   >>

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「漱石の博士辞退事件」とからめて
「ファラデーの王立協会会長辞退事件」二人の名台詞
     ぼいやれ尚子

 拝啓
 本郷のイチョウも見事に燃ゆる頃となりました。
 ますますご活躍のご様子、何よりと存じます。毎週一度、工学部のPCにて拝見いたしております。
 この度は、京都漱石の會会報第二号を頂戴し誠に有難う存じます。ますます立派になる頁に気押される思いがいたしました。まずは数々の写真に目をひかれました。明治の佳人には殊に…。
 ソーセキ猫のイラストにはホッといたしました。感じが出ていますね。
 同封のコピーは、図書館で見つけて読んだ本の一ページです。ファラデーの人物は好きでしたのでこんな接点もうれしく。わびすけ様ももうとっくにご存知やもしれませぬが、おなぐさみに。
 末筆ながら、師はしる季節に一層御身大切にお過ごし下さいますようお祈りいたしております。   敬具
 十二月一日
      ぼいやれ 尚子
 わびすけ先生
              ◇
     漱石とファラデー
 そうした由緒ある学会の会長に、ファラデーは満場一致で推されたのである。それは、イギリスの科学者にとって、もっとも名誉ある地位であった。さぞかし、"成りたがり屋"もたくさんいたものと思われる。
 ところが、純粋に科学の研究だけを愛し、地位や肩書にはいっさい執着心を抱かなかったファラデーは、人が羨むような推薦の話をきっぱりと断ったのである。ティンダルをはじめとする周囲の人々から強い説得を受けても、ファラデーは頑として、己の信念を曲げることはなかった。
 そのときファラデーは、自分の心境をティンダルに向かって、こう語ったと伝えられている。("Faraday's Select Researches in Electricity" Everyman's Libraryに収められたティンダルの序文)

 I must remain plain Michael Faraday to the last.

 ここで、"plain"(平凡な、気取らない)という言葉は生きている。文脈の中で言えば、まさに「たゞのなにがし」というニュアンスであろう。ファラデーの飾らない素直な気持がよく現れている。
 もし漱石がこの英文を訳したとすれば、「小生は是から先も矢張りたゞのファラデーなにがしで暮らしたい希望を持っております」と表現したかもしれない。
 果して漱石は、さきほど探ったような接点(ティンダルの一文、池田菊苗との邂逅、寺田寅彦との交流など)のどこかでファラデーの言葉を知り、それが博士辞退事件における「たゞの夏目なにがし」という名台詞につながったのであろうか。それとも、清廉な人間が己の生き方に忠実に、毅然とした態度を貫き通すとき、口を突いて出る言葉は、洋の東西を問わず、同じものになってしまうのであろうか。

  小山慶太著 漱石のあたたかな科学 文豪のサイエンス・アイ
    (一九九五年文芸春秋)よりコピー
   WEBサイト
     椿わびすけ別館 夏目漱石
     カメラさんぽ 漱石を訪ねる 第十一回 ぼいやれ なおこ(フランス)
     「漱石先生の楽しい欧州散歩」

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三四郎池にて




虞美人草 「京都漱石の會」会報 《第3号》 p.14 より



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